部下の成長を促す上手な叱り方を知りたい!
叱るのが苦手で、どうしても上手に伝えられないんだよな・・・・・
部下が萎縮したり、モチベーションが下がってしまうのも嫌だし。
どうにか上手に叱る方法はないかな・・・・
こういった悩みに応える記事です。
現代社会において、「叱る」のが苦手な人は多いのではないでしょうか?
叱ることで、「相手から嫌われるんじゃないか・・・」「人間関係が崩れるんじゃないか・・・」と不安に感じますよね。
昔は上司や先生、親には「絶対にしたがうべき」といった権威が存在しました。
しかし現代では、上司や先生や親の持っていた権威が薄れたことで「叱る」ことが難しくなっています。
特に会社では、年齢も価値観も違う人たちが一緒に働いています。
生産性を上げるために、上司は部下に指摘や叱責をする場面は必ずやってきます。
しかし多くの価値観がより明確になった現代で上司が部下を「叱る」ことは、
- 部下の受け取り方が大きく変わる
- 部下のモチベーションを左右する
- 感情が伴うとパワハラになる可能性がある
こういったリスクを伴ってしまうんですね。
部下のモチベーションを上げて、頑張って欲しいけど、叱り方がわからない・・・・
こういった悩みを持った上司は非常に多いです。
はじめましてoni(おに)と申します。
コミュニケーションの悩みを解決できるコンテンツを運営してます。
僕の簡単な経歴は以下のとおり。
- 接客業(ホテル・販売など)の社員経験24年
- 店長及び関東エリアチーフの経験あり
- 新人教育も担当
※詳しいプロフィールはこちら。
結論、上手な叱り方を実践すれば、部下との関係性も向上して生産性が上がります!
この記事を読めば、上手に叱れるようになります。
上手に叱れるようになれば、
- 部下のモチベーションを上げる
- 上司の気持ちをスムーズに伝えられる
- 部下との信頼関係が向上する
当然、部下のやる気や成長を促すことができれば、生産性は上がり職場も活気付きますよね。
どうしても部下を叱ることができない方、部下と信頼関係を築きたい方は、ぜひ本記事を最後までお読みください。
24年以上の接客業務を通して、たくさんの人と接してきた僕の記事ですので、多少は信ぴょう性はあるかと。
部下の成長を促す上手な叱り方3選
前提として、「叱る」と「怒る」の違いをしっかりと認識する必要があります。
うまく叱れない人は、この「叱る」と「怒る」の違いをきちんと区別できていない可能性があります。
では、実際に「叱る」場合にはどのようなことに注意すればいいのでしょうか。
ポイントは以下の3つ。
ひとつずつ解説しますね。
事実+改善策+理由を明示する
まず「叱る」際には「事実+改善策+理由」を明示します。
ここで言う「事実」というのは「とった行動」や「行為」のことです。
つまり「人」ではなく「事」に着目して叱るということ。
その際に「どのように改善して欲しいのか」を具体的に、そしてその「理由」を添えて伝えることが大事になります。
この「事実+改善策+理由」をベースに相手に伝えるとスムーズに伝わるはずです。
例)期限を過ぎて部下が書類を提出してきた場合
NG)
また提出期限に間に合ってないじゃないか!お前はほんとにいい加減なやつだな!
ここでは、「いい加減なやつだ」と人格否定の言葉で「怒り」をぶつけています。
OK)
今回も提出期限に間に合わなかったね。提出期限に間に合いそうにない場合には相談してほしい。
でないと取引先との商談に支障をきたしてしまうんだ。
このように、
- 期限内に書類を提出できなかった(事実)
- 期限に間に合いそうにない場合には事前に相談して欲しい(改善策)
- 取引先との商談に支障をきたしてしまう(理由)
曖昧な指摘ではなく、起きた「事実」に基づいて「具体的な対策」と、なぜそうしなければいけないのかという「理由」を伝えることで、相手も受け取りやすくなります。
くれぐれもあいまいな言葉で相手を叱咤しないようにしましょう。
相手が何を言われているのかわからず、不快な思いだけが残ってしまいますので。
どの程度までできたら「きちんと」なのか、いつまでにできれば「はやく」なのかを具体的に相手に伝えましょう!
感情的になって人格否定はしない
相手の成長を期待して「叱る」ためには、感情的になってはいけません。
感情的になると、どうしても人格否定の言葉が入ってしまう可能性があるからです。
人格否定の言葉を使うデメリットとしては、
- 部下の自己肯定感を下げる
- 部下の反発・反感を買う
- 部下のモチベーションを下げる
- 信頼関係が築けない
- 最悪、パワハラで訴えられる
どんなに腹がたっても、相手の性格や人間性を口に出してはいけません。
これらはただの暴言です。相手を傷つけ、自信を失わせてしまうので絶対に避けましょう。
あくまでも「叱る」際には「事実」にだけ目を向けましょう。
敬意と愛情を示す
「叱る」ためには、「相手のことを思っている」ということを示すことも大事です。
相手に対して「敬意」と「愛情」を持って接してください。
どうしても叱るという行為には、感情がともないがちです。だからこそより意識して敬意や愛情を込める必要があるんです。
どんなに親しくても、たった1回の失言で相手との関係性も壊れてしまう可能性があります。
また相手も「自分のことを思ってくれている」ということがわかると、
- 仕事のモチベーションが上がる
- 期待に応えたいと前向きになる
- 上司に対する信頼が芽生える
「なぜ叱ったのか」という理由を説明したり、相手の未来に「何を期待しているのか」などを伝えられれば、きっと部下も心を開いて受け止めてくれるはずです。
叱り方のポイントは「借りてきた猫」
上記を意識するだけで、相手を正しく叱ることができるようになります。
※部下とのコミュニケーションを円滑にする方法を詳しく知りたい方は、ブログ【今すぐ実践!】部下の心をひらくコミュニケーションのポイントを解説のリンクを貼っておきますので合わせてチェックしてみてください。
「なぜ叱れないのか?」3つの理由を解説
上司が部下を叱れない理由には以下の3つがあります。
ひとつずつ解説しますね。
人間関係が希薄になってきているから
第一の理由は「人間関係が希薄になってきている」から。
お互いの関係性が深ければ、叱ったとしても、その関係性は崩れたりはしないんです。
しかし人間関係が希薄な場合、下手に叱ることで一気に人間関係が崩壊する可能性があります。
ではなぜ、人間関係が希薄になってきたのでしょうか。
それはいかなる場所においても「対等な関係」が主流になっているから。
昔は上司や教師、親などは社会的な権威が保障されていました。
結果的に
- 「上の人には従うべきだ」という認識が一般化していた
- 上の人間の「権威」が実力以上に持ち上げられていた
- 「権威」を保障された人間が、それに見合うように努力していた
しかし現在では「対等な関係」が求められるため、親や教師、上司などは「役割的な存在」になってしまったんですね。
社会的な権威が薄れて個人尊重の時代になったことで、上の人間の命令口調や下手な叱責によって、
相手の警戒心を高めて、反発心が溝を生んでしまう
状態になってしまうんです。
「権威」だけで相手が叱責や忠告を受け入れるのは困難になってしまったんです。
反対に「権威」に頼らず、
- 個人として共感の持てる人
- 相手に敬意を示して、明るく接する人
- 常にコミュニケーションを大事にする人
上記のような人は時代背景に関わらず、信頼関係を構築できて、相手も忠告や叱責をしっかりと受け入れてくれるのです。
人に対して無関心になっているから
「叱る」という行為は覚悟と労力が必要です。
しかも下手な指摘は相手の反感を買うリスクも伴っているため、なかなか「叱る」という行為に及ばないのが現状です。
その根底には人に対する無関心があります。
まあ、あいつも立派な社会人なんだから、私が指摘しなくてもわかるだろう・・・・
などと相手との関わりを避けてしまうことがあります。
叱ることが、
- 相手にとって余計なお世話
- 相手に失礼になる
- 相手は自分で気づくだろう
これらはすべて、関わり合いを避ける言い訳になってしまうんですね。
そもそも、人間は「他人のことは目につくのに、自分のことには甘くなってしまう」人がほとんどです。
つまり、認識の対象として客観視するのが難しいんですね。
だからこそ人に指摘されて初めて気がつくこともたくさんあるんです。
叱られることで、
- 他人に映る自分を認識できる
- 自分の知らなかったデメリットに気づく
- 自己成長のきっかけになる
上記のメリットが成長を促すことになるんです。
だからこそ相手に対して関心を持って、接していく必要があるんですね。
相手も大人なんだから、いちいち言わなくても・・・・・
というのは叱る覚悟と労力を放棄した言い訳です。
価値観が多様化しているから
昔は「これが正しい」「こうしなければならない」といった価値観が存在しました。
しかし価値観の多様化によって、昔の価値観が絶対的ではなくなってしまったことも叱れない理由の一つになっています。
だからこそ曖昧な理由で叱ることは、相手の価値観の違いから反発や反感を買うリスクがあるんですね。
叱るためには、
- 何が正しくて、やるべきことなのかを各自が判断している
- 何が正しくないのか、やってはいけないのかをしっかりと確立している
上記の2つがないと、自信を持って叱れないのです。
叱るためには、「なぜ」「何のために」という確固たる判断基準をもたなければなりません。
その「判断基準」が価値観なんですね。
叱ることが苦手な人は、その判断基準が揺らいでいるのです。
だからこそあいまいな指摘や忠告になって、「なぜ正しくないのか」「なぜやってはいけないのか」が相手に伝わらないのです。
※部下との信頼関係を築く方法を詳しく知りたい方は、ブログ【効果大!】職場で信頼関係を築く3つのコミュニケーションルールのリンクを貼っておきますので、合わせてチェックしてください。
「叱るための考え方」3原則
では「叱る」ためにはいったいどういった考え方が必要なのでしょうか?
「叱るための考え方」3原則が以下の3つ。
ひとつずつ解説しますね。
常にコミュニケーションを大切にする
上司や親だからといって威張って見せたり、服従を強いる人がいます。
「叱る」ためには、相手がそれを受け入れるような存在にならないといけません。
つまり常にコミュニケーションを大切にして、一個人として人を惹きつける存在を目指すわけです。
コミュニケーションを「上から下」ではなく「対等」にできる会話技能を習得することが「叱る」近道になるんですね。
対等なコミュニケーションによって以下のメリットがあります。
上記のことが、相手を叱るときに役に立つのです。
事情がわからずに叱るようでは、的外れな叱責になりかねません。
後で事情がわかって、
だったら何で、早く言わないんだ!
などと言ってしまえば、さらに相手の反感を買うだけです。
人に関心をもち、関わろうとする
会社であれ学校であれ、家庭であれ、自分以外の人間に「興味を持って関わろうとする」ことが大事です。
なぜ相手が「そう思うのか」「そのように行動したのか」に関心を持つことで、相互理解は深まります。
相手との関係性が希薄な状態では、「叱り」の効果は低いままです。
関係性が希薄だと、相手は「叱り」を「怒り」ととらえがちです。
「叱る」は「相手の成長を願い、改善を促す」こと。「怒る」は怒りの感情を相手にぶつけることです。
相手に関心を持って関わることで、相手の考えや事情が見えてくるようになります。
また、相手も自分のことを理解してくれるので叱責の目的も理解されやすくなるんですよね。
いずれにしても、自分に興味を持って接してくれる人を疎ましく思う人はいないんです。
「叱る」からこそ、相手に対する関心と関わりともつ必要があるんですね。
自分の価値観を持つ
価値観の多様化によって、社会全体でモラルや規範といったものが失われてきています。
そうはいっても、会社・学校・家庭など集団の営みの中ではルールがあります。
そのルールを明確に示すことが「自分の価値観を持つ」ことなんです。
叱り手が「自分の考えをしっかりともち、叱責の是非を判断する」ことが何よりも大事なんですね。
ポイントは「叱る」目的を明確にすること。
そのためには、
- 事実(とった行動・行為)
- 改善策(具体的な提案)
- 理由(なぜそうしないといけないのか)
の3つをしっかりと相手に伝えられなければいけません。
間違っても、自分の主観を盛り込んで感情的に怒鳴ることなどないように注意してくださいね。
叱る経験を通して、相手だけでなく自分も育てていくという意識を持ちましょう
まとめ【叱るからこそ信頼関係が深まる】
本記事では、部下の成長を促す上手な叱り方を解説いたしました。
「叱り方」と言っても、何も特別なテクニックは必要ないのです。部下の成長を「願い」、「期待」をかけて叱るだけなんです。
ただし、いくら部下の成長を願っていたとしても、相手を侮辱して傷つけるのは絶対にNGです。
部下のモチベーションを上げて、前向きな気持ちに持っていくことが「正しい叱り方」ですので。
また、「叱るための考え方」もしっかりと意識することが大事です。
小手先だけの叱責では、本当の意味で相手には届きませんので。相手と一緒に自分も成長していく気持ちで接してくださいね。
結局、「正しく叱る」ためには、常に相手とのコミュニケーションを大切にすることにつきます。
相互理解が深まれば、自分の意思も相手に正確に伝わります。
上司が横柄に構えることなく、敬意と愛情を持って部下と関わることができれば、叱ることになんの心配もいりません。
むしろ叱ることで、人間関係が深まるはずですよ
この記事が皆様の参考になれば幸いです。